発声に大きく関わる「口の形(開け方)」
「口の形なんて、どうでもいいんじゃない?」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、些細な意識で、歌声をかなり良くすることができます。
※「喉の奥の開け方」ではなく、「口の形(開け方)」についてのお話しです。
口の開け方によって、大きく変わるのは、「音色」と「響き」です。
例えば、以下の3パターンの口の形で「イ」という言葉を発音してみます。
①口の形を縦にする
⇒こもっている声、クラシック発声のような声、深い響きのある声、という印象。
②口の形を横にする
⇒明るい声、キンキンした声、深い響きは、あまり感じられない声、という印象。
③口の形を丸(過剰に横にも縦にも広げない)にする
⇒上記の2つの、ちょうど間くらいの音色と響きになると思います。
★ここで、必ず、おさえておきたいのが、口の形によって、
喉の奥の空間の形も変わる!!ということ。⇒これが大切です。
どの形がいいかは、正解・不正解はありません。チョイスする基準は「聞いている人が、心地よいと感じるかどうか」で判断していきます。例えば、日本のポップスを歌う場合で考えてみましょう。
①の口の形では、やはり声楽っぽい雰囲気で合わない。
②の口の形では、声は明るいけど響きが浅く、子供っぽい声になる。
③の口の形は、程よい響きを確保でき、音色も良い。一見、「イ」に聞こえないんじゃないか?と思ってしまうが、録音して聴いてみると、言葉としても違和感はない。
基本は、口の形を丸っぽく作ると良いです。
どんな言葉でも、基本は、口の形を丸っぽくしておくと、滑らかな言葉と、よい響きを獲得しやすくなります。日本語の特に「え」「い」は、口が横に開いてしまう言葉なので、注意してみるとよいでしょう。
音色がマイルドになるので、響きに統一感がでて、安心感のある声で歌っていく事ができます。特に、ボイストレーニング初心者の方には、とてもオススメの練習法です。
口の形を、基本は「丸」をオススメするのは、喉の奥がリラックスできて、良い響きが獲得できるという点が、一番の理由です。
実際に、生徒さんで、歌声が、慌ただしそうにバタバタしている印象のある方に、口の形をアドバイスすると、各段に、落ち着いた良い音色で歌う事が出来ています。
ぜひ、参考にしてみて下さいね。